職人紹介 Artisan
大川家具職人
稗田 正弘
1977年に父が運営する稗田木工(現:桐里工房)に入所、その後父の後を継ぎ、大川市内での職歴は30年を超える。稗田家にて代々引き継がれた家宝的な組手技法によって、優れた強度と美しさを持つ家具を作っている。
2009年 | 福岡県『現代の名工』の表彰を受ける。 |
2014年 | 『大川の匠』に認定される。 |
- どんな商品を作っていますか
- 緻密で神経を使う非常に高い技術を使い、大川の伝統的な桐たんすの製作をベースに、桐を主材に扱った様々なものづくりを目指しています。
- この仕事をするようになったきっかけは
- 桐里工房は代々桐ダンスを作っており、私が三代目になります。職人の家に生まれ、仕事の手伝いをしながら、小さいころから少しずつ技術を教わっていたというのが一つです。そして中学生時代から特に美術が大好きで、油絵など絵を描いたりしていたところ、先代が「絵も描けるんだから家具も作れるだろう」と言い、私を後継者にしたところから始まりました。
- 仕事でこだわっているポイントは
- ほとんどが手づくりの作業です。鉋(カンナ)、鐫(ノミ)、鋸(ノコギリ)、罫引き(ケビキ)等、木工道具を主体に手づくりを貫いています。「良いものをつくる」のがモットーですから、そのために一人一品制作で最後まで仕上げるというこだわりが一つあります。こうした作る姿勢のほかに、環境というのがあり、あまり木を切り過ぎてもいけない。自然を相手にする仕事ですから、木を育てながら木を使っていくので、地球環境を整えるという意味でも、植林活動もある程度していかなければならないと思っています。木を植えて切って、長く持つ家具を作っていくというのが、うちのこだわりではないでしょうか。
- この仕事をしていてよかったことは
- 私たちの若い頃(1960年代)には、戦後復興と住宅環境の変化にともない、家具の需要が伸びて、大川の家具造りは量産システムへと移行していきました。大川の家具の最高の生産高と好景気にわきあがっていました。しかし、家具は耐久性があり、需要減のあおりと不景気に海外製品に押され、大川の量産品はシェアを取られていきました。大川全体が真剣にものづくりを考えないと成り立たない状況になってきていて、量産からまた元に戻ろうとしていると僕は捉えています。そんな今の状況に出会えていることがよかったことではないでしょうか。色々言われてきましたが、手づくりを貫き通してきた事が今に繋がっています。それが一番良かったことじゃないかなと思います。
- これからの夢はなんですか
- まず夢は自分の内から生まれて来るもので、人から与えられるものではありません。自分自身の心の中から作りだすべきものです。20歳の頃夢見た事を長い間、心の中にしたためて、それを形にできた事で、さまざまなイベントや催事が出来る様になり、沢山の人との出会いが広がっていきました。これからの私の大きな夢は、大川のまちづくりのお役に立つ事です。具体的には、多くの人々と力を合わせて、木をテーマにした街のモデル地区を、美観通りとして進化させていく事です。木工の街らしい市民が毎日歩けるような実用的な通りを、生活に溶け込むような美しい通りを実現出来ればと思い続けています。
会社名・屋号 | 桐里工房 |
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所在地 | 〒831-0004 福岡県大川市大字榎津74-3 |
電話番号 | 0944-86-3938 |
FAX番号 | 0944-88-2281 |
ホームページ | http://www.kirikoubou.com/ |